初恋マニュアル



「じゃあ、友達からってことで、よろしく!」



ニッといたずらっ子みたいないつもの笑顔で、羽生くんは私の手をキュッとにぎった。


そのまま握手するみたいにブンブン手を振られる。


されるがままになりながら、私は顔が熱くなるのを感じた。


三浦くんとはちがう男の子の手。


ひんやりとした三浦くんの手とはちがって、羽生くんの手はすごく温かい。


まさかこの光景をだれかに見られてたなんて思いもせずに、私はのんきにそんなことを思っていた。
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