初恋マニュアル
涙を手の甲でぬぐうと、空のお弁当箱をならしながら一歩を踏み出した。


これで戻らなかったら、また羽生くんに心配をかけてしまう。


好きな相手と友達でいたいと思うのは、私も一緒だ。


ただ、気持ちを伝えたか伝えてないかのちがい。


だけど、それはものすごく大きな差があるものなんだとわかった。


自分ならと三浦くんにてらし合わせてみる。


私は羽生くんのようにいられるんだろうか?


友達でいたいけど、受け入れてもらえないのがわかっててそばにいるのはきっとつらい。


愛里ならこんなときどんな風に言ってくれるんだろう?


羽生くんのことを推してくるだろうか?


それとも、私が三浦くんを好きだって、ちゃんと愛里に伝えたら応援してくれる?


いろんな思いがぐちゃぐちゃになって、どうしたらいいかわからない。


でも、愛里に話を聞いてほしいって気持ちは確かだった。


だってあの図書館で、私の初恋を応援してくれるって言ってくれたのは本音だと思うから……
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