初恋マニュアル
まあ、今だって三浦くんと羽生くんくらいしか話したことないわけだけど。



「そ、それで?夏帆ちゃんオッケーしたの?」



自分はひやかされたりするのがいやだとか言いながら、人の恋には興味津々なんだから矛盾してる。



「まだみたい。でも男子テニスの先輩で、わりとよく面倒見てくれてて知らない仲でもないし、夏帆も好きな人いないって言ってたから、いけるんじゃないかなぁ」



「えー、ちょっと安心してたのになぁ。夏帆ちゃんきれいだから仕方ないけどさ」



「そうだね、髪もショートでボーイッシュだけど、けっこう色っぽいしねぇ。先輩もうなじにほれたのかも」



うなじって……愛里……目線がおじさんぽいよ……



ジトーッと上目づかいで愛里を見つめていると、なに?と聞かれてあわててごまかした。



「す、すごいなぁ……夏帆ちゃん」



「美羽だって羽生に告られたじゃん」



「そ、そうだけど、あれはでも……好きとか言われたわけじゃないし……」



「バカだね?付き合ってって言われたんなら、好きだからに決まってんでしょ?あぁ……羽生が気の毒……」



< 251 / 392 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop