初恋マニュアル
うーんと考え込む愛里は、そこまでは考えてなかったらしい。


二人して黙ったまま考え込んでいると、お待たせしましたと頭の上から声をかけられた。


ビクッとして見上げると、不思議そうな顔をしたお姉さんがチーズケーキと紅茶をテーブルに置いてくれる。



「どうかした?」



私と愛里の顔を交互に見ながら、そう聞いたお姉さんに、私は思わず返事をしていた。



「あ、あの!三浦くんのお兄さんていくつなんですか?」



お姉さんじゃなくて、お兄さんの歳だなんて、不自然だったかな?と目を泳がせたけど……


愛里はナイスって感じでお姉さんに気付かれないように、私にウインクした。


お姉さんは、きれいで若く見えるけど、落ち着いてる雰囲気が大人な感じがする。


25歳前後ってイメージ。


だとするとお兄さんも同じくらいかもしれない。


ずいぶん歳が離れてるんだなと思った。


三浦くんが18歳だったとしても、7歳も離れてる。


私と愛里はお姉さんがなんて答えるのか、じっと見つめた。
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