初恋マニュアル
さっきの私ってよっぽど変だったんだと少しだけへこんだけど、こんなに笑ってくれてるんだからいっかと思える自分がいる。


こんな風に男の子と二人きりでおしゃべりしてるってことだけでも、私にとってはうそみたいな話なのだ。


すっかり安心しきっていた私に、さっきまで笑っていた三浦くんが、あれ?って言いながら急に真顔で近づいてきた。


おどろいた私はとっさにみがまえる。適度な距離だった二人の間隔は、もうきんちょうする距離にまで迫られていた。



「え……あの……なに?」



そう言ってる間にも、三浦くんはどんどん近づいてきて、自分の手を私の背中に回しながら顔を近づけてきた。


私はおもわず肩をすくめてギュッと目をつぶる。



――ちょっ!やだ!近い!



そう思ったときだった。



「ぷっ……やっぱり、すごいことになってる」



「えっ?」


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