初恋マニュアル
また三浦くんが忘れ物をして戻ってきてくれる確率はゼロに近いんだから、やっぱりちゃんと言ってよかったと私は思った。
黒板を消し終えて、黒板消しをクリーナーにかける。
気を付けていても白い粉は少しだけ辺りに舞った。
制服にも白く散らされて、それを払うようにたたく。
そのパンパンという音が、誰もいない廊下にひびいて、ちょっぴり寒々しい気持ちになった。
窓際の席に腰かけて、閉まった窓から校庭を見下ろす。
陸上部が相変わらず走ってる姿が見えたけど、こないだとちがうのは外の明るさだ。
あの日は一人一人の顔が見えたのに、今はすっかり暗くなっていてかろうじて人が動いてるのが判別できる程度。
暖房を消した教室の空気も、ピリッとしていてもうすぐ本格的な冬がやってくるんだとぼんやり思った。
目の前の日誌に日付を入れて何ヵ所か記入するところを埋めていく。
窓の鍵を閉めて、教室の電気を消したら、あとはこの日誌を職員室に持っていくだけだ。
号令とかそういうのは、あの男子がやってくれているんだから、このくらいおあいこかもしれないと思う。
黒板を消し終えて、黒板消しをクリーナーにかける。
気を付けていても白い粉は少しだけ辺りに舞った。
制服にも白く散らされて、それを払うようにたたく。
そのパンパンという音が、誰もいない廊下にひびいて、ちょっぴり寒々しい気持ちになった。
窓際の席に腰かけて、閉まった窓から校庭を見下ろす。
陸上部が相変わらず走ってる姿が見えたけど、こないだとちがうのは外の明るさだ。
あの日は一人一人の顔が見えたのに、今はすっかり暗くなっていてかろうじて人が動いてるのが判別できる程度。
暖房を消した教室の空気も、ピリッとしていてもうすぐ本格的な冬がやってくるんだとぼんやり思った。
目の前の日誌に日付を入れて何ヵ所か記入するところを埋めていく。
窓の鍵を閉めて、教室の電気を消したら、あとはこの日誌を職員室に持っていくだけだ。
号令とかそういうのは、あの男子がやってくれているんだから、このくらいおあいこかもしれないと思う。