初恋マニュアル
きっとこれはやきもちだ。


羽生くんへのやきもち。


羽生くんが好きだなんて、いつ言ったの?


付き合うなんて一言も言ってないのに、勝手に自己完結させないでよ!


胸の中では、激しい怒りと悲しみがうず巻いてる。


だけどそれも彼のトラウマのせいなんだって、知ってるから……


私はただ泣くことしか出来なくて、結局三浦くんを困らせていた。


好きなのに、好きって言えないもどかしさを抱えて、どうしたら三浦くんを困らせないでいられるのかを必死に考える。



「……私は……羽生くんとは……付き合わない。羽生くんのこと……嫌いじゃないけど……友達だから……」



私が言えることは事実を伝えること。


誰とも付き合う気がないってわかったら、あなたは安心してくれる?


泣いてるせいでたどたどしいセリフになっちゃったけど……


もう三浦くんが好きだって、言うことは出来ないけど……


私はずっとあなたを思ってる。


< 322 / 392 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop