初恋マニュアル



「ちょっとちょっと愛里?二人とも彼氏いるんだし、あんまりムリいったら悪いよ?」



困ってるんじゃないかと思って、そう言うと意外にも夏帆ちゃんも由宇ちゃんも乗り気だったみたいで。



「いや、大丈夫だよ?たぶん先輩とはイブに会うから」



「うん、私も五十嵐くんとはイブに会う約束してるから、クリスマスは空いてまぁす」



そっか、恋人同士はイブに会うものなのか……なんて、ついつい感心してしまう。



「それに女子会は女子会で楽しそうだし、やりたいやりたい」



「私も楽しみ!美羽ちゃんはなんのケーキがいい?」



愛里が持ってきた雑誌を見ながら、みんなでああでもないこうでもないと話し合ってる姿を見て、すごくあったかい気持ちになった。


毎年、クリスマスは家族で過ごしていたし、愛里とはプレゼント交換くらいはしたけど、特に一緒にクリスマス会をやったことはなかった。


女の子だけでクリスマスのお泊まり会とか、初めての経験でワクワクする。


だから、さっきのスカートをめくられたことなんてすっかり忘れてた。


男子もそのあと、特にそのことに触れなかったし、羽生くんもなんでもないような顔でふざけてたりして。
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