初恋マニュアル
買い物
ハロウィンが終わると街の中はすっかりクリスマスムード一色になる。
お店も歩道もそこかしこがキラキラしていて、知らず知らずのうちにワクワクするように誘われてるみたいだ。
前に愛里とドーナツ屋に寄った駅にあるショッピングセンターの入口。
大きなクリスマスツリーの下で待ち合わせすると決まったのは、昨日のことだ。
「えっ!羽生とデート?」
愛里に報告したら、すぐにそう言われて。
「だから、デートじゃないってば!妹さんのプレゼント探すの手伝うだけだもん」
必死に否定したけど、聞いてない。
「でも2人っきりでお出かけってことでしょ?美羽にしては思いきったよねぇ」
愛里は目を丸くしてびっくりしたようにそう言った。
そりゃそうだよ、私だって自分でびっくりしてる。
なんであんなこと言っちゃったのかなぁって。
「ねぇ、愛里も一緒に来てよ。3人なら気まずくないし、プレゼントも私にちゃんと選べるか不安だもん」
最初は愛里と行ったら?って提案したくらいだ。
3人なら羽生くんだって納得するんじゃないかって思った。
「そんなの今さらムリだよ。ぜったい羽生よろこんでるもん。私、おじゃまじゃん」