初恋マニュアル
「そこでありがとうって言っちゃうとか、丸山って意外と天然だよね?俺、どんな顔していいかわかんないじゃん」
くくっと最後は笑いながら、横目でジトーっと私を見る。
「あ、えっ?ご、ごめん」
あわててあやまると、羽生くんはそれを手で制した。
「あーいや、あやまらなくていいからさ。ほら、行こ行こ」
三浦くんみたいに手をつなぐことはなかったけど、私のそでの一部を軽く引っ張る羽生くん。
クリスマスツリーの横をとおりすぎて、入口へと向かう。
ベレー帽が落ちないように手で押さえながら、少し早足で羽生くんの後を追った。
中に入ると、さっそく何階に行くのかで2人して迷ってしまう。
一応、どんなのがいいか愛里にもアドバイスもらったけど、羽生くんにも予算があるだろうし。
「妹さん、どんなのが好きなのかな?アクセサリーとか小物系がいいのか、オモチャみたいなのがいいのか、それによっても見るとこがちがうから」
2人でインフォメーションにある大きな案内図を並んでながめながら、そう聞いてみた。
「わりとおとなしくて絵を描いたりするのが好きなタイプなんだけど」
なにがいんだろうなぁ……と頭をかきながら、悩んでる。
「じゃあ、オモチャのとこに行ってみる?あと文房具とか」
そう提案してみると、羽生くんもうなずいて5階の玩具と文房具のコーナーに行ってみることにした。