初恋マニュアル
****


「ありがと、丸山がいなかったらやっぱ無理だったよ。たすかったぁ」



愛里が言ってたとおり、ランチして行こうってなって、私たちはフードコートにいた。



「そんなことないよ、あんまり役に立ってないし……だから良かったのにおごってくれなくても……」



付き合ってもらったからどーしてもごちそうさせてってゆずらないから、仕方なくハンバーガーのセットをたのんでもらったところだ。



「いやいや、1人じゃこういうの買えなかったとおもう、ほんと」



ゴソゴソとさっき買ったばかりのプレゼントをテーブルに出して、満足そうにながめてる。



「よろこんでくれるといいね?」



クリスマスらしく赤い色にサンタやトナカイ、ツリーが可愛らしく描かれた包装紙に金色のリボン。


中身はお絵かきが好きだという妹さんがよろこびそうな、色鉛筆が入っていた。


水をつけた筆でなぞると、水彩画みたいにもなるらしいそれは、色の種類も豊富で入ってる箱も可愛らしい。



「すごいよろこぶと思う。今使ってるやつ12色入りだしだいぶ小さくなってたから」



本当にうれしそうに笑う羽生くんを見ていると、なんだかすごくいやされる。


羽生くんて、普段は元気でふざけてるイメージだけど、わりといやし系なのかもしれない。
< 354 / 392 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop