初恋マニュアル



「こないださ、孝弘と昇降口で話してたとき、丸山……俺とのこと誤解されたままでもいいって言ってたよね?友達にもどれるならって。それって、このことと関係あるの?」



あのとき、なんの気なしにつぶやいた言葉は、羽生くんの頭にずっと引っかかっていたのかもしれない。


友達にもどれるならなんて、たしかにおかしなセリフだ。


それに私と三浦くんが全然話さなくなったってことは、愛里にもバレていたわけで。


だとしたら、私を好きだと言ってくれる羽生くんが気づかないはずがない。



「もしかして……さ。孝弘に気持ち伝えた……とか?」



私はうそが下手なのかもしれない。


ちっともかくせてないどころか、おもいっきりバレちゃってる。



「もぉ、なんでわかっちゃうんだろ」



力なく笑いながらそう言うと、羽生くんはやっぱり……とガックリ肩を落とした。



「最近、なんか2人とも変だったからさ、そうなんじゃないかなと思ってたんだよね?信じたくなかったけど」



はぁ~とため息をつきながら、あからさまに落ち込む羽生くん。
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