初恋マニュアル
クリスマスパーティーはほとんど愛里が仕切っていて、座る席も決められていた。


愛里のことだから、てっきり三浦くんのとなりに座らせられるんじゃないかと思っていたのに、意外にもそうじゃなかった。


もちろん、由宇ちゃんたちは彼氏ととなり同士で座ってたけど、私のとなりには羽生くんが座って、愛里のとなりに三浦くん。


気まずいからその方がいいと思っていたけど、座ってみて愛里のたくらみに気づいた。


目の前に三浦くんの顔があって、ある意味となりに座るよりハードルが高い。


三浦くんの方を見るのがこわくて、不自然にならないようにわざと愛里や羽生くんの方に視線を送った。


目が合うことよりも、目が合わないことの方がこわかったから……


またさけられたらと思うと勇気が出ない。


あきらめないって決めたばっかりだけど、そんな急には無理だ。


羽生くんはそんな私を気づかうようにいろいろ話をふってくれて、愛里と一緒に盛り上げてくれていた。


私は羽生くんや愛里みたいにうまく話せないから、せめて料理を取り分けたり、ジュースをついだりして話を聞いたり笑ったりしてるだけ。


それでもプレゼント交換とかゲームとか全部がすごく楽しくて、あっという間に時間は過ぎていった。
< 378 / 392 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop