初恋マニュアル
早苗さんお手製のブッシュドノエルとアップルパイを食べ終わったのは、ちょうど8時くらい。
まだ帰りたくないなと思ったときだった。
「じゃあ、そろそろ俺たち帰るね?」
阿部先輩がおもむろに立ち上がると、夏帆ちゃんの肩をさりげなく抱いた。
夏帆ちゃんは真っ赤になりながらも、一緒に立ち上がる。
「あー俺たちもそろそろ……」
今度は五十嵐くんが席を立つ。
由宇ちゃんもごめんね?って片手でおがみながら立ち上がった。
「うん、わかった。もうおそいし、ちゃんと送ってあげてね?」
ニヤッと笑ってそう言ったのは愛里で、まるでこうなることがわかってたみたいな口ぶりだ。
そんな気配を感じたのか、早苗さんがあわてて奥から顔を出す。
「あ、帰るなら渡したいものがあるの」
そう言ってさっき三浦くんが持ってきた大きな袋の中から四角い箱を取り出した。
「私からみんなにクリスマスプレゼント。たいしたものじゃないけけど、良かったら持ってって?」
「わぁ、いいんですか?うれしい!」
最初に手を出したのは愛里で、赤と緑のカラフルな包装紙でラッピングされたそれをうれしそうに抱えた。
「中身はマグカップなの。ちょっと重くて申し訳ないんだけど」
「そんなことないです!うれしいです!」
みんなも口々にそう言って、早苗さんから一つずつプレゼントを受け取る。
お礼を言って帰っていく二組のカップルのうしろ姿を見送りながら、少しだけお祭りのあとみたいなさみしさがおそってきた。
まだ帰りたくないなと思ったときだった。
「じゃあ、そろそろ俺たち帰るね?」
阿部先輩がおもむろに立ち上がると、夏帆ちゃんの肩をさりげなく抱いた。
夏帆ちゃんは真っ赤になりながらも、一緒に立ち上がる。
「あー俺たちもそろそろ……」
今度は五十嵐くんが席を立つ。
由宇ちゃんもごめんね?って片手でおがみながら立ち上がった。
「うん、わかった。もうおそいし、ちゃんと送ってあげてね?」
ニヤッと笑ってそう言ったのは愛里で、まるでこうなることがわかってたみたいな口ぶりだ。
そんな気配を感じたのか、早苗さんがあわてて奥から顔を出す。
「あ、帰るなら渡したいものがあるの」
そう言ってさっき三浦くんが持ってきた大きな袋の中から四角い箱を取り出した。
「私からみんなにクリスマスプレゼント。たいしたものじゃないけけど、良かったら持ってって?」
「わぁ、いいんですか?うれしい!」
最初に手を出したのは愛里で、赤と緑のカラフルな包装紙でラッピングされたそれをうれしそうに抱えた。
「中身はマグカップなの。ちょっと重くて申し訳ないんだけど」
「そんなことないです!うれしいです!」
みんなも口々にそう言って、早苗さんから一つずつプレゼントを受け取る。
お礼を言って帰っていく二組のカップルのうしろ姿を見送りながら、少しだけお祭りのあとみたいなさみしさがおそってきた。