初恋マニュアル



「だいじょうぶよ、美羽。好きな人っていったって、愛里ちゃんだっていいんだから、なにも男の子じゃなきゃいけないわけじゃないでしょ?それにほら、学校によって出すお題だってちょっとちがうかもしれないんだし、そんなにむずかしいの出さないわよ、きっと」



ね?と必死に説得してくるお母さんに、休むとはもう言えなかった。


しかも親に反対されつつ、頑張って入った学校なだけに、これ以上ワガママ言えない。



「私も見に行こっかなぁ、お姉ちゃんの借り物競争」



人のことだとおもって、面白そうにそう言ってくる妹に腹が立ったけど、言い返す気力もない。


代わりにお母さんが妹にビシッと言ってくれていた。



「なに言ってんのよ、その日あんたも学校でしょ?土曜日なんだから」



「な~んだ、つまんないのぉ」



ゆとり教育が終わって、土曜日に授業のある学校がここ最近増えたらしい。


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