初恋マニュアル

みんなはもうすでにあちこちに散らばって自分の目指すものを探しているようだ 。


ハアハアと息をはずませながら、急いで紙を開く。


その中身を見て、私はその場で固まった。



ーーはっ？え？なにこれ？どーいう意味？



たぶん、冷静に考えれば全然難しくないお題のはずなのに、こんな場面だからかいまいち理解ができない。


もっと単語でそれこそタオルとかメガネとか、そーいうのであって欲しかったのに。


考えれば考えるほどわからなくなって、ますます固まっていると、遠くから愛里のさけぶ声が聞こえた。



「美羽ー！こっちこっち！」



怒られるかもとか思ってたのに、愛里は必死に私を手招きしてる。


助けてくれるんだと思ったら、足が勝手に愛里の方に向かって走り出してた。



「どした？むずかしいお題なの？」



愛里のところまでたどり着くとそう言って私のにぎりしめていた紙をうばいとる。


息を整えながら私がうなずくと、愛里はお題を見てすぐに、振り返った。



「三浦くん！ちょっといいかな？」