初恋マニュアル
ーーちょっ!心臓爆発しちゃうよ!
なんとか呼吸を整えながら、ゆっくりと深呼吸する。
ようやく普通に話せるようになったときには、すでに競技も終わりそうになっていた。
「あ、あの……もう大丈夫だから……」
ずっとさすってくれていた横にしゃがむ三浦くんをそっと見上げる。
こんな大勢の人の前で、気にせずにこういうことができるんだから、三浦くんはやっぱり大人だ。
私なんか、周りからひやかされるんじゃないかとか、そんなことばっかり考えちゃってる。
「もう、平気?ごめんね?俺のせいで」
そんな風にあやまられて、私はあわてて首を横に振った。
「ううん!とんでもない!三浦くんのおかげで三着になれたし!三着だよ?絶対ビリだと思ってた」
言いながら、なんだか急にうれしさがこみ上げる。
まさか体育祭とかでこんなにいい順位がとれるなんて思わなかった。
「そお?ならよかった、でも丸山もがんばったからとれたんだよ?」