初恋マニュアル
ニコって笑顔でそんな風に言われたら、キュンとしてしまう。


はずかしくなっておもわず下を向くと、さっきつかまれていた方の右手の手首が少しだけ赤くなっていた。


三浦くんに触れられた場所なんだと思ったら、なんだかドキドキしてもう片方の手でかくすように触れてみる。


さっきは夢中だったけど、ほかの人ってだれかを連れて行くときこんな風に手をつないで走ったりしてたのかな?と急にはずかしくなった。


周りの目が気になってそれ以上三浦くんと話せないでいると、そのまま競技は終わって退場の合図が聞こえてきた。


クラスの場所にもどると三浦くんは普通の顔でじゃあね?と自分の席にもどっていく。


私は三浦くんにありがとうも言えないまま、愛里の隣にストンと座った。



「よかったねぇ!美羽!三着とか大健闘じゃん!おめでとう!」



「……う、うん」



それでも気になるのは、さっきの三浦くんと手をつないで走ったっていう事実。


変にひやかされたりするんじゃないかとか、そういうのが気になって純粋に三着っていうことを喜べないでいた。
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