初恋マニュアル



――そうなのかな?三浦くんはなんでいつも私のこと気にかけてくれるんだろう?


うれしいけど、なんとなくくすぐったい気持ちになる。


そのうち、次の競技のアナウンスが聞こえて、愛里が席を立った。



「じゃあ、行ってくるね?応援よろしくぅ」



最後のリレーは、愛里とそれに三浦くんもエントリーしてる。


クラス対抗だから、このリレーが得点を左右するといってもいいかもしれない。



「うん!がんばってね?」



三組は黄色のクラスカラーで、いまのところ順位は三位になってる。


逆転できる可能性は十分あるから、みんな気合い十分だ。


当然、足が速い人ばかりが選ばれているから、かなりの迫力で周りの歓声もすごい。


女子から男子へとバトンがつながれ、愛里は5番目の走者でアンカーの三浦くんにバトンを渡す大事な役目だ。


一人目、二人目とどんどん進んでいき、愛里にバトンが渡るころ、三組は四番手になっていた。


私は祈るように愛里を応援する。バトンを受け取った愛里は、ほれぼれするほどかっこいい。
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