初恋マニュアル



「いつもさ、なんかピョンピョンはねてんだよ」



そう言って、三浦くんはクスクス笑った。


私は自分の話題が出たことで、その場でますます固まってしまう。


体育祭のことも、本当はみんなそんな風に思ってたんだとか、やっぱり三浦くんは私じゃなくてもだれにでも助けてあげるんだとか、いろんなことが頭の中でぐちゃぐちゃになる。



「まじ?なら俺も今度、ちゃんと見てみようかな?」


「そうだな?あ!それに丸山からせめて、須藤と仲良くなるってのもありじゃね?」


「おぉ!それいいかも!」



――なに、それ……ひどい……



泣きそうになりながら、私はもう聞いていたくなくてじりじりと後ろに下がった。


私は愛里と仲良くなるための道具なの?そうじゃなければ話しかける価値もないってこと?


そう思ったら、息がうまく吸えなくなって体がふるえた。



「やめろよ、そういうの。須藤と仲良くなりたいなら、直接言えばいいだろ?」



三浦くんの怒ったような声が聞こえてビクッとした。
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