初恋マニュアル
愛里には言いたくなくてだまってたことを、三浦くんには話したなんて聞いたら、面白くないかもしれない。


とっさに上手くごまかすことが出来なくて口ごもっていると、愛里の笑顔がスッと消えた。



「……私には聞かせたくないこと?」



――どうしよう……怒ってる……



せっかく仲直りするつもりでここに来たのに、こんなことでまたおこらせたくないと、頭をめぐらす。



「う、ううん。そんなんじゃないよ?ほら、愛里にも言われたけど、一学期の終わりくらいに、私……男子のこと」



「あぁ、うんうん」



「やっぱりそれ、気にしてくれてたみたいで。なんかしたんならあやまるって言ってくれたの」



その理由は言いたくないけど、その事実は愛里も知ってるわけで……


だったら、そこまでは話してもいいかなと思えた。

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