初恋マニュアル
「ほら、だから言ったじゃん。三浦くん気にしてるよってさ」
終業式のときに愛里が言ってくれた言葉。
あのときは素直に聞けなかったけどいまならわかる。
愛里が本気で心配してくれてたんだってこと。
「うん……ごめんね?愛里も心配してくれてたのに……」
「いいって、美羽が三浦くんとちゃんと話せたんなら、良かったよ」
それ以上突っ込まれなかったことにホッとしながら、私は、ありがと、とちいさく笑った。
「で?どうなの?」
急に愛里がニヤッと笑ってそう聞いてくる。
「どうって……なにが?」
「三浦くんのこと。やっぱり好きなの?」
――はっ?なに言ってんの?
突然、そう言われて思わず動揺する。
「だって、そんなに男子のこと話す美羽、初めて見たし?」
「ちょっ!そ、そんなんじゃないよ!三浦くんだって、ひまつぶしに誘ってくれただけだし。友達って言ってくれただけでじゅうぶんていうか……」