浅葱色の鬼

紅音

近藤は、私から

どれほどの過去と先を見たのだろう



これから始まる戦を知っても
療養を選んだのだろうか



土方への信頼が、大きいとしても




やはり、新選組に近藤は残るべきだ







私がやるべきことは、決まっている






「お茶煎れてくる」







惚れ薬を同時に飲めば、近藤と私は
惚れ合う


惚れていれば、良いのだろう


後から文句を言われても
近藤を治すことが出来ればそれでいい



土方に嫌われるかもしれないが



その方が都合がいいだろう




私は、人になれぬ





これが命として、最後の治療に
なるはずだ





私は、命にあるまじき行いをしすぎた







本来なら、としさんを延命した時点で
私は、消えなければいけなかった






この世に、執着し
としさんの生まれ変わりと恋をした





とても、幸せだった












土方なら、もっと良縁があるだろう





きっと、戦に勝ち

結婚し、子に恵まれ






幸せになるだろう









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