浅葱色の鬼
出陣前 誰も来ない場所を探し
井戸の近くでポツンと座る
蒼の姿が見えないから
きっと見送りをしているのだろう
蒼は、私より
あいつらが好きらしい
メス猫の習性だろうか
「見つけた」
下を向き、考え事をしていた私の視野に
赤い紐
土方… どうして…
「紅音 握り飯美味かった!」
そう言って、私の頬を撫でる
顔を上げ、土方を見ると
ニコニコと私を見ている
「必ず皆を連れて帰って来る
握り飯、作って待っててくれるか?」
過去のコイツは、そんなこと言わなかった
「帰ったら、妻になってくれるか?」
こんなことも
「妻には、ならぬが… 待っている」
そっと、重なる唇
赤くなり、照れくさそうに笑う土方
「行ってくる」
「いってらっしゃい」
出来ない約束は、しない奴だった
帰って来るというなら
帰ってくるのだろう
不思議と胸の痛みが和らいだ
井戸の近くでポツンと座る
蒼の姿が見えないから
きっと見送りをしているのだろう
蒼は、私より
あいつらが好きらしい
メス猫の習性だろうか
「見つけた」
下を向き、考え事をしていた私の視野に
赤い紐
土方… どうして…
「紅音 握り飯美味かった!」
そう言って、私の頬を撫でる
顔を上げ、土方を見ると
ニコニコと私を見ている
「必ず皆を連れて帰って来る
握り飯、作って待っててくれるか?」
過去のコイツは、そんなこと言わなかった
「帰ったら、妻になってくれるか?」
こんなことも
「妻には、ならぬが… 待っている」
そっと、重なる唇
赤くなり、照れくさそうに笑う土方
「行ってくる」
「いってらっしゃい」
出来ない約束は、しない奴だった
帰って来るというなら
帰ってくるのだろう
不思議と胸の痛みが和らいだ