浅葱色の鬼
近藤組の活躍で、勝利した

俺は、その勝利を横取りされないように
守った



多くの怪我人を出した



亡くなった奴もいる




屯所を出たのが夕刻
日が変わり、夜が明け
陽が高く上がった頃
全員を連れて、屯所に帰り着いた





紅音の握り飯は、皆を回復させた


「旨いっす!紅音さん!!」

「ありがとうございます!」

「紅音さんに会えた-!」



俺のだっつーの!!!

遠くから睨むと、隊士が逃げる

それに気づいた紅音が振り返る



「ご飯くらいゆっくり食べさせてやれ」

「何の事だ?」


すっとぼけて返すが


「睨んだんだろ」


「あいつらが紅音にデレデレすっから!」


「仲良くしろと言ったのは、お前だろ」


「おっ!妻になるならって奴!?紅音!!」


「ここにいる間の話だ
ほら、土方の握り飯だ」


「ふっ とって置いてくれたのか?
そういうとこも好きだ」


「怪我… 治そう」


「ダメ!」


「治せる怪我なら治さないと」



感覚がないと言っていた
紅音にとっては、俺の口づけも
誰かへの口づけも同じらしい


「嫌なんだ…」



呟くと


「早く怪我人のところに連れて行け」


「にゃーん」



いつの間にか、俺の足にスリスリする蒼


「口づけしなければいいんだろ」


「!!!っ…おう」



口づけ以外の方法があるなら
そう言ってくれればいいのに



なんて思いつつ
治療を開始している山崎のところへ



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