浅葱色の鬼
大砲の音が、京の町に響いた朝
手薄になった新選組屯所の近くにある
原田邸に、忍込んだ男は
茂を連れ去ろうとした
だが、茂が泣き叫んだことで
紅音が駆けつけた
そばで倒れているおまさに怪我がないかを
チラリと確認した後
「その子は、私の子ではないぞ
命の力が欲しいのだろう?
その子を返せ、私が行こう」
男から茂を受け取り
おまさのそばに寝かせる
「ずいぶん素直だな」
「抵抗した覚えは、ないぞ」
「邪魔が入る前に行くぞ」
紅音が縄で縛られているうちに
おまさが意識を戻した
朦朧として動けないでいたが
「紅音…ちゃん……」
おまさは、連れて行かれる
紅音の背に、必死に手を伸ばした
手薄になった新選組屯所の近くにある
原田邸に、忍込んだ男は
茂を連れ去ろうとした
だが、茂が泣き叫んだことで
紅音が駆けつけた
そばで倒れているおまさに怪我がないかを
チラリと確認した後
「その子は、私の子ではないぞ
命の力が欲しいのだろう?
その子を返せ、私が行こう」
男から茂を受け取り
おまさのそばに寝かせる
「ずいぶん素直だな」
「抵抗した覚えは、ないぞ」
「邪魔が入る前に行くぞ」
紅音が縄で縛られているうちに
おまさが意識を戻した
朦朧として動けないでいたが
「紅音…ちゃん……」
おまさは、連れて行かれる
紅音の背に、必死に手を伸ばした