浅葱色の鬼

歳三

「歳、残念だったね
さっきまで、梅結乃がいて
ずいぶんと賑やかだったんだよ」


「知ってる
外で、梅結乃に会った」


「送ってあげればよかったのに」


「地面が割れるほど、ドスドス歩いて
帰ったよ
どうも、俺は嫌われ者みたいだからな」


「蔵に入れたりするからだよ」


「全くだ」




蔵に入れた時は、気づかなかった
山南さんが、部屋に連れて来たとき
梅結乃の顔をマジマジと見た

俺は、梅結乃を知っている



なぜだか



そう思った




昔から、梅が好きだった



赤い梅が…





梅結乃なんて名前に梅が入っているだけで
何かしらの縁を感じる


俺が勝手に感じているだけなんだが




梅結乃に触れたい衝動を抑えて


会話をするのがやっと





浮気心など、懐妊中の君菊に怒られるな…












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