浅葱色の鬼
惚れた欲目
毎日、庭を歩いていた紅音が
ピタリと歩くのを辞めた



縁側で腰を下ろし
1日を過ごす



「退屈してないかい?」


近藤が声を掛ける







「退屈がよくわからぬ」


紅音が庭を見つめたまま答えた




「何か、やりたいことがあれば
遠慮なく言ってくれればいい」



「……考えておく」



「そうだ
桜が咲いたら、また花見をしよう」



「……また」


「ん?」


「いや、なんでもない」



「あ!近藤さん!
紅音とお話ししてたんですね!」



「総司 巡察お疲れ様
花見をしたらいいなと話をしてたんだよ」


「わぁ!それは、良いですね!
紅音さん、お酒好きですものね!」


「……まあ」







会話こそするが、一言二言しか返さず
様子を伺い続けている紅音に
何とか、心を休めて欲しいと
皆が心配していた











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