浅葱色の鬼

紅音

思い出した〝としさん〟との
たった1日の記憶


それは、私の心を動かした



胸が高鳴り

幸せを感じ

〝としさん〟を愛おしいと想った


それは、新選組に対する愛おしさとは
また、別の感情だった





そして、〝としさん〟の生まれ代わりが
土方だと気がついた


無性に土方に触れたい衝動
日に日に、それが抑えきれなくなった



結婚、出産を目的としない

ただ人になるということは
どういう事なのか


恐怖や不安より、興味が上



命とは、どのような者か
ちゃんと知る前に
両親や婚約者を失った私は
それがやって良いことか
悪いことかさえ、わからない



少しづつ過去の記憶が蘇る



｢にゃーん｣



蒼佑？？？




永倉が可愛がってる猫が
蒼佑の生まれ代わりと気がついた




なぜ！猫！？



蒼を抱えて、さらに驚いた



｢お前…　女なのか｣



驚愕の事実に、思わず独り言




｢クスクス　女同士仲良くしよう｣