浅葱色の鬼
「……」


紅音が、立ち止まり
無言で桜を見上げた


全員が、息をのんだ


紅音の記憶が消える…



そう思ったからだ



「紅音…」



紅音の頬を涙が伝う



「忘れたくないな…」



紅音を抱きしめた



「また、楽しい思い出作ってやる!」


「クスッ」



俺の背に回そうとした紅音の手が
ブランとなり、崩れる紅音を
支えながら、俺もペタリと座り込んだ


意識を失った紅音の頬を撫でた



300日、いっぱい幸せにしてやろう



俺に出来ることは、それくらいだ











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