STRIKER

 ・・・鉄の車輪が短調なリズムを奏でながら列車に揺られる私は、冷えて白く曇った窓に吐息を優しく吹き掛けながら、縁に肘をかける。


 薄い水蒸気の膜を張ったガラスを茶色いニット地のセーターの袖で擦って車窓を眺めた。

 
 出発した途端に入ったトンネルの闇が明けると、一瞬にして眩い光が飛び込んでくる。


 トンネルを出ると、そこに白銀の世界が私を待っていた。
 
 
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