クールな王太子の新妻への溺愛誓約
いろんなことが突然すぎるせいもあるだろう。
「それじゃこうしよう」
レオンは優しい眼差しで俯くマリアンヌの顔を覗き込んだ。
「クレアだと自分で思えるようになるまで、“マリアンヌ”と呼ぶことにしよう」
「……いいのですか?」
マリアンヌが顔を上げる。
「戸惑う気持ちもわからなくはない」
レオンはマリアンヌの揺れる気持ちに気づいてくれたのかもしれない。
マリアンヌはレオンの優しさが嬉しかった。
「ありがとうございます」
マリアンヌがホッとしたように笑みをこぼすと、レオンは表情を引き締めて「だが」と言葉を続けた。
「私はマリアンヌをクレアだと思って接するから、そのつもりでいてくれ」