クールな王太子の新妻への溺愛誓約

おろおろするマリアンヌとは対照的に落ち着き払っている。


「そんな心配は無用だ。マリアンヌのことはなによりも大事に考えているし、節度をもって接している。それとも、私のことが信用ならないか?」

「――いえ! 滅相もございません!」


形勢逆転。ベティはおそれ多いといった様子で一歩下がり、頭を下げた。


「出過ぎた真似をしたこと、お詫び申し上げます」

「いや、わかっていればいいだろう」

「ありがとうございます」


ベティがさらに頭を下げると、レオンが「だが」と続ける。
そこでベティは顔を上げた。
マリアンヌもレオンの横顔を見る。


「婚儀が終われば、誰からもなにも言わせないつもりだ。私がどれだけマリアンヌを甘やかそうが、マリアンヌをいつ抱こうが口を挟ませるつもりはない」


(――だ、抱く!?)

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