クールな王太子の新妻への溺愛誓約
「ふざけてなどおりません。私は真剣です」
ベティが険しい顔をする。眉間にはしわが寄っていた。
確かに、普段から真面目を絵に描いたようなベティが、クレアをそのようにしてからかうはずはない。
「……女の人はみんな、今みたいな格好をするの?」
「さようでございます」
クレアは信じられなかった。ベティの言動が信じられないのではなく、世の女性たちのことが理解できない。
(裸の上、足を開くだなんて……)
「……レオン様の前でカエルのような格好なんてできないわ」
クレアはあまりの恥ずかしさに顔を両手で覆い、首を横にふるふると振った。
「では、レオン殿下との結婚をおやめになりますか?」
「――それは嫌よ!」
クレアは勢いをつけて起き上がり、ベティに猛烈に抗議をした。