クールな王太子の新妻への溺愛誓約
マリアンヌは動転する気持ちを立て直し、レオンにそう申し出た。
レオンはもう一度マリアンヌへ視線を戻し、じっと彼女を見つめる。コバルトブルーの瞳が冷ややかに揺れていた。
「……あの、もしよろしかったら、ここを案内していただけないでしょうか? ピエトーネでも母がたくさんの花を育てておりまして、とても懐かしく思いました」
怯んでしまいそうになりながら、マリアンヌはぐっと堪えて踏ん張る。人見知りのためにこういう態度を取るのならば、何度となく接していくしかないと考えたからだ。
ところがレオンの口からは、慈悲のない言葉が投げられる。
「見たければ、自由に見るがいい」
レオンは冷たく言い置くと、マリアンヌに背中を向けた。
(……え? 自由に……? ご一緒してくださらないの?)
寂しさで胸がいっぱいになる。
「あ、あの!」
思わず彼を呼び止めると、レオンはその場で立ち止まった。