クールな王太子の新妻への溺愛誓約

「レオン様とフィアーコを背負って立つ……」


クレアがベティの言葉を念仏を唱えるように繰り返す。


「そうです。クレア様にはそれができるはずです。芯の通った素晴らしい女性に成長されたことは、これまでそばで仕えてきた私が太鼓判を押します」


ベティは重ねた手を強く握った。


「……わかったわ」


クレアは顔を上げて顎を引き、ベティをしっかりと見据える。


「私、レオン様を立派に支えてみせるから」


その瞳からは大きな決意が見えた。


「それでこそクレア様です」


クレアとベティが微笑みながら手を取り合っていると、部屋を忙しなくノックする音が聞こえた。
ベティが開けるより早く開けられたドアから、レオンが入ってくる。

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