クールな王太子の新妻への溺愛誓約

信じたくないといったニュアンスを言葉の端々から感じる。ベティはレオンの態度に衝撃を受けたようだった。


「そうよ。私の絵よりずっと凛々しくて美しいでしょ?」


恐れおののいているベティを元気づけようと、マリアンヌは悲しさを隠して明るく笑う。


「……ええ、お姿はとても。ですが――」

「少し人見知りをされる方みたい」


ベティの言葉を遮る。
彼女の言いたいことはわかっていた。多分、冷たすぎやしないかと言いたいのだろう。
しかし、ベティの口からそれを聞きたくなかった。ほかの人からも冷たく見えるのだという決定打がほしくなかったから。


「さようでございますか。そういったお方がいてもおかしくはないですからね。人見知りということならば、接していくうちに徐々に打ち解けてくださいます」

「そうよね」


ベティの言葉にマリアンヌは少なからず元気づけられた。
少しずつ近づいていこう。マリアンヌは密かに心に誓うのだった。

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