クールな王太子の新妻への溺愛誓約
「食事はひとりで食べる主義だ」
マリアンヌの放った明るい空気をすべて払しょくしてしまうかのように。
「ですが、食事はひとりで食べるよりふたり、ふたりより三人だと思います。父もそのように申しておりました」
諦めの悪い女だと思ったか、レオンは片方の眉をピクリと動かした。
冷ややかに注がれる視線に萎縮しながらも、マリアンヌは懸命に堪える。息をひそめ、レオンの出方をひたすら待った。
長い長い時間だった。しばらくマリアンヌを刺すように見つめた後、レオンが小さく息を吐く。
「……好きにするがいい」
マリアンヌに背を向け、肩ごしに言った。さすがのレオンもマリアンヌの押しに観念したような様子だ。
「それは、ご一緒してもいいということでございますか?」
つい嬉しくなり、マリアンヌが声を弾ませる。