クールな王太子の新妻への溺愛誓約

いつもより少しきつい感じは否めないが、それもレオンに美しいと思ってもらうためだ。ベティもつい熱が入ってしまうのだろう。


「マリアンヌ様、私はちょっと夕食の準備の確認に行ってまいります。なにか粗相があっては大変ですので」


パトリシアがそう言いながらドアへ向かう。レオンとマリアンヌが初めてふたりで食事をとるということで、パトリシアも熱が入っていた。それはこれまで、レオンにつれない素振りをされているマリアンヌをパトリシアも見てきたから。
レオンに健気に接するマリアンヌを応援したい気持ちが大きいのだ。


「ありがとう。お願いね」


パトリシアが部屋を出ていったのを見計らい、マリアンヌはベティに声をかけた。


「ねえ、ベティ。ひとつ聞いてもいい?」


マリアンヌにドレスを着せ始めたベティは「はい、なんでございましょうか」と顔を上げる。


「さっき、どこへ行っていたの?」

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