クールな王太子の新妻への溺愛誓約

湯浴みをするまでの一時間ほど、ベティの姿が見えなくなっていたのだ。


「侍女たちと交流をしておりました」

「交流?」


聞き返したマリアンヌにベティは頷いた。


「この王宮のしきたりなど、まだまだ耳に入れておいた方がよろしいことがございますので……」


ベティの鼻がピクリと動いたのを見て、マリアンヌはピンときた。


「もしかして、レオン様のことを聞きに行ったの?」


ベティがカッと目を見開く。


「ど、どうしてでございますか?」


生真面目なベティのこと。レオンについてもっと知っておこうということだろう。
マリアンヌとレオンが初めて夕食を共にできることになったのだ。ふたりの距離を近づける絶好のチャンスとなる。

< 38 / 286 >

この作品をシェア

pagetop