クールな王太子の新妻への溺愛誓約
湯浴みをするまでの一時間ほど、ベティの姿が見えなくなっていたのだ。
「侍女たちと交流をしておりました」
「交流?」
聞き返したマリアンヌにベティは頷いた。
「この王宮のしきたりなど、まだまだ耳に入れておいた方がよろしいことがございますので……」
ベティの鼻がピクリと動いたのを見て、マリアンヌはピンときた。
「もしかして、レオン様のことを聞きに行ったの?」
ベティがカッと目を見開く。
「ど、どうしてでございますか?」
生真面目なベティのこと。レオンについてもっと知っておこうということだろう。
マリアンヌとレオンが初めて夕食を共にできることになったのだ。ふたりの距離を近づける絶好のチャンスとなる。