クールな王太子の新妻への溺愛誓約

「あの、私……?」

「食事の最中にお倒れになったのでございます」


ベティにそう言われて思い出す。
そうだった。途中から気分が優れなくなり、なんとか堪えようと必死になっていたのは覚えている。


「ベティがここまで運んでくれたの?」

「いいえ。いくらなんでも私ひとりではマリアンヌ様をお運びすることはできません」

「そうよね」


あの場にはレオンの侍従たちが控えていた。きっと、そのうちの誰かだろう。そう思いながら、マリアンヌは天蓋のレースに目をやる。


「レオン殿下がマリアンヌ様をここまで運んでくださったのです」

「――え!? レオン様が!?」


思わぬことに、マリアンヌはベッドの上で飛び起きた。


「マリアンヌ様、大丈夫でございますか!?」

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