クールな王太子の新妻への溺愛誓約

高鳴っていたマリアンヌの鼓動は、レオンの思いがけない態度を見て不安へとスイッチが切り替わる。


「挨拶もろくにできない不肖者で恥ずかしい限りです」


ジャンピエトロが困ったように頭を掻くと、マリアンヌの両親であるアンニバーレとヴァネッサは「とんでもないことにございます」と恐れ多いといった様子で返した。

新たなに発見された鉱山採掘の権利を共有させてもらえるという弱い立場でありながら、やはりそこは大国。フィアーコがピエトーネよりも優勢に立つのは仕方のないことだった。



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