クールな王太子の新妻への溺愛誓約
「それでですね、街でたくさんお土産をいただきまして……」
持っていた袋と箱をレオンに差し出す。
「これは?」
「揚げパンとクレームブリュレです。おいしいので、ぜひレオン様にもと思ってお持ちしました」
受け取ったレオンが袋と箱を見つめる。
「……わざわざ?」
「わざわざではないです。レオン様と一緒に食べたかったものですから」
にこにこしながらマリアンヌが答えると、レオンはわずかに瞳を揺らした。
マリアンヌは笑顔のまま、レオンの返事を待つ。
「……あの、お隣に座ってもよろしいですか?」
待ちきれずにマリアンヌが小首を傾げて尋ねると、レオンは腰を浮かせて少し右にずれた。マリアンヌの勢いに、ついといった感じだった。