クールな王太子の新妻への溺愛誓約
喜色顔で頬張っていると、マリアンヌはふと横顔にレオンの視線を感じた。
そっと顔を向けると、そこでレオンの真っ直ぐな眼差しとぶつかる。
ドキッとしたが、逸らそうにも逸らせない。まるで視線が糸で縫い合わされてしまったようだった。
「あの……?」
先に目を逸らしたのはレオンだった。
マリアンヌは、どこか影が差した彼の横顔が気になる。
「どうかされましたか? ……もしかして、揚げパンがお口に合わなかったでしょうか?」
「……いや」
レオンが軽く首を振る。
「どことなく似てることに気づいたんだ」
「……似てる?」
マリアンヌはレオンの顔を覗き込むようにして小首を傾げた。
(似てるって、この揚げパンがなにかと似てるのかしら)