クールな王太子の新妻への溺愛誓約
マリアンヌはそれが嬉しくてたまらない。
(こんなに素敵な笑顔なのに、笑わないなんてもったいないわ)
マリアンヌは、この王宮にいる人たちにも見せてあげたいと強く思った。そうすれば、誰もレオンのことを“氷の王太子”などと呼ばなくなるだろう。
「それでは白状します。私マリアンヌは、レオン様のおそばにいられて幸せです」
クレアがレオンの心を独占していたとしても。レオンの妻になれるだけでも嬉しいと感じる。
マリアンヌは、今はっきりと自覚した。レオンを確実に愛し始めていると。
会って間もないというのに、口に出したそばから愛しい感情が溢れてくる。それは突然決壊した川のようだった。
どうしてなのか、なにがきっかけになったのかはわからない。ただ、レオンのそばにずっといたいと願った。
レオンの頬にわずかに赤みが差す。面食らったような表情だった。
「マリアンヌはおもしろいな」
「女性に対して“おもしろい”というのは、レオン様にとって誉め言葉でしょうか……?」