クールな王太子の新妻への溺愛誓約
横顔をじっと見つめる。無理は百も承知の上。今まで距離を置いていた場所なのだ。簡単にイエスの返事がもらえるとは思わない。
ところが思いがけない言葉がレオンの口から突いて出た。
「……いいだろう」
「――本当ですか!?」
しばらく考え込むようにしたレオンが答えると、マリアンヌは両手を胸の前で組んで聞き返す。
「ああ」
レオンは深く頷いた。
きっと断られるだろうと思っていただけに、マリアンヌの喜びは倍増。今なら、ほかの願いも聞き入れてくれるかもしれない。この調子で言ってしまおう。
「それから」
「まだあるのか」
言いだしたマリアンヌにレオンが目を見開く。