同居相手はまさかの!?
「まず、卵だけどまず混ぜる時は泡立てすぎないこと。
卵を切るように混ぜる方が口当たりの良い柔らかい玉子焼きになるから。」

そう言って、藤堂君は卵を溶き始めた。


(スゴイ…!やっぱ慣れてる…!)


「やってみて。」


藤堂君に言われ、あたしは卵を溶いた。


「そう。そんな感じ。」


(なるほどね…!)


「フライパンはよく暖めておくこと。ひっつきにくくなるから。」



(ふむふむ…。)


「焼く時は、火は弱く。茉莉の場合は中火ぐらいで良いだろ。」


(中火かあ…。)


「箸が苦手なら、フライ返しでやってみたら?」


(そうか!フライ返しか!
…全然思いつかなかった…。)


「フライ返しか!全然思いつかなかった…。」


「ふつー思いつくだろ…。ほんと料理オンチだな。」


ムカ!

はいはいすみませんね!

藤堂君に言われ、あたしはフライ返しで卵をひっくり返した。

(お?成功?)

「お、綺麗じゃん。」

(どーよ!)

あたしは心の中でドヤった。
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