同居相手はまさかの!?
【茉莉side】
あたしは着替えを済ませ、自分の部屋から出た。
その時、リビングのドアのガラスから藤堂君が電話をしている姿が見えた。
(また、誰かと話してる…。)
ここ最近、藤堂は誰かと電話で話している。
そのたびに深刻な…暗そうな顔をしている…。
話の内容は、声が小さすぎて聞こえないけど…。
(…帝王物産ってそんなにキツイのかな?)
そしてあたしは、気づかれないようそろーっと部屋を出て自分のアパートに向かった。
しばらくして、アパートに着いた。
部屋の鍵を開けようとしたその時、
ガチャ
扉が開いた。
「あら、茉莉ちゃんやないの!」
「大家さん!」
大家さん
あたしがこのアパートを借りた時、初めて声を掛けてくれた。
明るくてあたしにとってお母さんみたいな存在だ。
大阪生まれだから、いまでも関西弁で話すのが特徴だ。
「久しぶりやなあー!どないしたん?」
「お久しぶりです!ちょっと荷物を取りに…」
「そうやったんかいなー!」
「いきなりこんな事になってすみません…。」
「最初はびっくりしたでー!でも家賃払ろうてもろとるし
大丈夫やで!けど茉莉ちゃんおらんかったらオバちゃん寂しいわあー!」
(本当に払ってくれてるんだ…。)
「…大家さん。」
「辛くなったらいつでも戻っておいでなー!
茉莉ちゃんはウチの大事な住人や!
茉莉ちゃんにとってのお家はここやからな!」
「大家さん…。ありがとうございます!」
「茉莉ちゃんの事はオバちゃん、勝手に娘やと思ってるからな!
歳離れてるけど。」
「大家さん…。ありがとうございます!」
(ここに来て良かったなあ…。)
「けどあんた、今は何かその、とんかつ?」
「…婚活です。」
「そうそう!それや!そこで知り合った男と住んでるんやろ?」
「あ、はい…。」
「大丈夫なんかいな…それ。」
「まあ、不安はありますけど…。」
でも…
毒舌だし、口は悪いけど
なんだかんだ言っていつも助けてくれる。
「…あんた今むっちゃええ顔してんで!」
「え!?」
「ええなあー!若いなー!まさに恋する乙女やん!」
「えー!?ち、違います。そんなんじゃ…」
「…まあ相手の事、分からん事もたまにあるかもしれんけど
でもな。気になる人には、素直になるのが一番良いんや。
その人の事、本気で気になるんやったら、一回胸に当てて考えてみ?」
「…大家さん。」
「ちょっとしゃべり過ぎたなあ…。ごめんやで。
オバちゃんは茉莉ちゃんの恋、応援してるからなあ。
そんじゃあ。」
そう言って大家さんは部屋に戻った。
…気になる人には素直になるのが一番か。
あたしは着替えを済ませ、自分の部屋から出た。
その時、リビングのドアのガラスから藤堂君が電話をしている姿が見えた。
(また、誰かと話してる…。)
ここ最近、藤堂は誰かと電話で話している。
そのたびに深刻な…暗そうな顔をしている…。
話の内容は、声が小さすぎて聞こえないけど…。
(…帝王物産ってそんなにキツイのかな?)
そしてあたしは、気づかれないようそろーっと部屋を出て自分のアパートに向かった。
しばらくして、アパートに着いた。
部屋の鍵を開けようとしたその時、
ガチャ
扉が開いた。
「あら、茉莉ちゃんやないの!」
「大家さん!」
大家さん
あたしがこのアパートを借りた時、初めて声を掛けてくれた。
明るくてあたしにとってお母さんみたいな存在だ。
大阪生まれだから、いまでも関西弁で話すのが特徴だ。
「久しぶりやなあー!どないしたん?」
「お久しぶりです!ちょっと荷物を取りに…」
「そうやったんかいなー!」
「いきなりこんな事になってすみません…。」
「最初はびっくりしたでー!でも家賃払ろうてもろとるし
大丈夫やで!けど茉莉ちゃんおらんかったらオバちゃん寂しいわあー!」
(本当に払ってくれてるんだ…。)
「…大家さん。」
「辛くなったらいつでも戻っておいでなー!
茉莉ちゃんはウチの大事な住人や!
茉莉ちゃんにとってのお家はここやからな!」
「大家さん…。ありがとうございます!」
「茉莉ちゃんの事はオバちゃん、勝手に娘やと思ってるからな!
歳離れてるけど。」
「大家さん…。ありがとうございます!」
(ここに来て良かったなあ…。)
「けどあんた、今は何かその、とんかつ?」
「…婚活です。」
「そうそう!それや!そこで知り合った男と住んでるんやろ?」
「あ、はい…。」
「大丈夫なんかいな…それ。」
「まあ、不安はありますけど…。」
でも…
毒舌だし、口は悪いけど
なんだかんだ言っていつも助けてくれる。
「…あんた今むっちゃええ顔してんで!」
「え!?」
「ええなあー!若いなー!まさに恋する乙女やん!」
「えー!?ち、違います。そんなんじゃ…」
「…まあ相手の事、分からん事もたまにあるかもしれんけど
でもな。気になる人には、素直になるのが一番良いんや。
その人の事、本気で気になるんやったら、一回胸に当てて考えてみ?」
「…大家さん。」
「ちょっとしゃべり過ぎたなあ…。ごめんやで。
オバちゃんは茉莉ちゃんの恋、応援してるからなあ。
そんじゃあ。」
そう言って大家さんは部屋に戻った。
…気になる人には素直になるのが一番か。