同居相手はまさかの!?
そして、車は出発した。


あたしはちょいちょい、運転をする藤堂君を見た。


「…何?気、散る。」


「ご、ごめん!」


「……」


そして沈黙になってしまった。


…どうしよ。


男の人の車なんて初めて乗ったからどうすれば良いか分からない…。


だって…付き合ったの将人だけだもん…。


将人とは、あまりデートをした事がない。


あるとしても最近は大体、近所の居酒屋とかしかなかった。

昔はよくデートしてたけど、でも大体電車が多かった。


同棲してからは、将人はバンドの練習ばかりだし…。


その時藤堂君が口を開いた。


「…もしかして緊張してる?」


「と、藤堂君は緊張しないの!?」


あたしは思わず聞き返した。


「俺?…しないよ。」


「そ、そっか…。」


当然だよね。


藤堂君にとってあたしは、ただの同居人。


そこからの関係なんて考えてないんだ。 


何か…チクチクして痛い…。

「…着いた。」

ああ…もう着いたんだ。


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