同居相手はまさかの!?
「手、離すなよ茉莉。」


そう言われあたしは、握ってくる藤堂君の手を握り返した。

そしてあたし達は館内を回った。


回りは、祝日だからか人が多くやけにカップルが多かった。


あたし達は、恋人ではないけど…


でも…もしかしたら…回りからしたらカップルに見えるんだよね?


握られた手が更にあたしを熱くさせる。


「…どこ行く?茉莉。」


その時、藤堂君が振り向き、あたしの顔を見た。


恋人じゃないのに藤堂君が【茉莉】とあたしの名前を呼ぶたびドキドキする。


「ど、どこでも!」


そう言ってあたしは目を逸した。


「ふーん…じゃあまあ、適当に回るか。」


藤堂君はそう言ってまた向き直し、歩き出した。


藤堂君…本当にかっこ良いなあ…背は高いし、


髪はサラサラだし、鼻は外国人並に高いし、


睫毛長いし…。


その時


「キャ!」


人混みにぶつかり、手が離れた。


「あ…!」


(と、藤堂君待って〜!)


あたしは完全に人波に巻き込まれてしまった。


その時手をグイッと引っ張られた。


そして、人ごみが少ない所に引っ張れた。


「藤堂君…!」


「…手、離すなって言っただろ?」


「ご、ごめん!」


「ったく…。俺から離れんな。」


藤堂君はそう言って、さっきよりも力強く手を握りしめた。


「…行くぞ。」


(あ…。耳、赤い…。)

あたしは、応えるように藤堂君の手をぎゅっと力強く握りしめた。

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